1: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2017/10/10(火) 21:56:32.841 ID:O8B5VFnJ01010

サターニャ宅

ガヴリール「ヴィーネ、誕生日おめでとう」

ラフィ「おめでとうございますヴィーネさん」

サターニャ「ヴィネットおめでとう!」

タプリス「おめでとうございます月乃瀬先輩!」

ヴィーネ「みんな……ありがとう!」ウルウル

ガヴリール「というわけで」

サターニャ「誕生日会の準備を始めるわよ!!」

ヴィーネ「……え?」


3: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2017/10/10(火) 21:57:40.586 ID:O8B5VFnJ01010

ヴィーネ「ねぇ、今から始めるの?」

ガヴリール「だって今日平日だったし」

ラフィ「一応下準備は前日に行ったので、そこまで時間はかかりませんよ」

ヴィーネ「そっか、じゃあ私は……」

サターニャ「ヴィネットはあっちの部屋で待ってて!」

ヴィーネ「え!? なんで!?」

ガヴリール「お前が主役なんだから当たり前だろ」

タプリス「そうですよ!月乃瀬先輩は主役らしくあっちの部屋でゆっくりしててください!」

ヴィーネ「……そっか、私主役だもんね」

ヴィーネ「じゃあ任せたわね!」


4: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2017/10/10(火) 21:58:40.736 ID:O8B5VFnJ01010

ラフィ「では、役割分担した通りにお願いしますね」

タプリス「分かりました!」

ガヴリール「じゃあ私はこれだな」

サターニャ「ヴィネットの誕生日!盛り上げていくわよ!」

オー!

ヴィーネ「……」ウズッ


5: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2017/10/10(火) 21:59:50.316 ID:O8B5VFnJ01010

調理場

ガヴリール「……」トントン

ヴィーネ「みんな、調子どう?」ウニッ

ヴィーネ「ガヴは……果物切る係ね」

ガヴ「ああ、ケーキの飾り用と盛り合わせ用のやつな」

ガヴ「切るぐらいなら私でも出来るし」

ヴィーネ「それでもそのパイナップルとか切るの大変じゃない?」

ガヴ「このぐらいなら大丈夫だよ」

ヴィーネ「……そっか」


6: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2017/10/10(火) 22:00:47.271 ID:O8B5VFnJ0

ヴィーネ「あ、そうだ! ケーキ用の生クリームとか!泡立てるの大変じゃない?」

ガヴ「それは体力バカに任せてる」

サターニャ「誰が体力バカよ!」シャカシャカ

サターニャ「見てなさいヴィネット!最高に悪魔的なケーキを作るんだから!」シャカシャカ

ヴィーネ「悪魔的? でも生クリーム使うんじゃ……」

ガヴリール「チョコケーキってデビルズケーキとも言うらしくて……あいつが作りたいって言いだしてな……」

ラフィ「で、せっかくなのでショートケーキとチョコケーキ、両方作ることにしたんですよ」

ヴィーネ「……ねぇサターニャ、両方作るの大変じゃない?よかったら……」

サターニャ「心配は無用よヴィネット! この私に任せなさい!」シャカシャカ

ラフィ「サターニャさんケーキ作るのだけは私達より手際いいんですよね」

ヴィーネ「そっか……胡桃沢洋菓子店の子だもんね」


8: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2017/10/10(火) 22:01:32.815 ID:O8B5VFnJ0

ヴィーネ「そういえばタプちゃんは?」

ガヴ「タプリスならあっちで……」

………

タプリス「むむ……こっちを先に盛るべきでしょうか……?」

タプリス「それともここにプチトマトを置いて……」

ヴィーネ「タプちゃんはサラダ作ってるのね」

タプリス「はい! 頑張って綺麗に盛り付けて見せます!」グッ

ヴィーネ「私に何か手伝えることとか……」

タプリス「月乃瀬先輩……自分の誕生日なのに……なんて優しい……」

タプリス「でも! 心配はご無用です! 私一人で何とかしてみせます!」

ヴィーネ「そっか……」

ヴィーネ「ラフィ!そっちの料理とか!」クルッ

ラフィ「こっちの料理は下ごしらえ済んでるのであとは焼くだけですよ」

ヴィーネ「そうなんだ……」


10: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2017/10/10(火) 22:02:29.077 ID:O8B5VFnJ0

ヴィーネ「……」ウズウズウズウズ

ヴィーネ「……」ソワソワソワソワ

ヴィーネ「……」ウズウズウズウズソワソワソワソワウズウズウズウズソワソワソワソワウズウズウズウズソワソワソワソワ

タプリス「月乃瀬先輩……とてもウズウズしてますね……」

ガヴリール「イベント大好きだからなあいつ……手伝いたくて仕方ないんだろ」

タプリス「でも……主役の手を煩わせるわけには……」

ガヴリール「……」

タプリス「天真先輩?」


11: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2017/10/10(火) 22:03:31.610 ID:O8B5VFnJ0

ガヴリール「あー、このパイナップルめっちゃ固いわー」

ヴィーネ「!!」ピコーン

ガヴリール「これ私の力だと無理だわー」

ヴィーネ「ガヴ! よかったら……」ウキウキ

ガヴ「ああ、手伝ってくれ」

………

ヴィーネ「ここはこう切ると綺麗に……」

ガヴリール「ふーん」

ワイワイ

タプリス「月乃瀬先輩……楽しそうですね」

ラフィ「たまにはいいかと思いましたが……やはりこうなりましたね」

ラフィ「うふふ……ヴィーネさんらしいですね」

タプリス「形式に縛られるのではなく……相手が喜ぶことを一番に考える……」

タプリス(流石天真先輩!! 勉強になります!!)

ラフィ(やっぱりガヴちゃんはどうなってもガヴちゃんですねー)

ガヴリール(なんか余計なこと思われてる気がする……本当に硬くて切れなかったんだけど……)


13: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2017/10/10(火) 22:04:42.990 ID:O8B5VFnJ0

サターニャ「出来たわ!!スペシャルサタニキアブラックデビルズツヴァイよ!」

ガヴリール「ツヴァイって……」

サターニャ「なんかかっこいいじゃない!!……ところでツヴァイってどういう意味?」

タプリス「知らないで付けたんですか……」

ラフィ「こっちも用意出来たので、始めましょうか」

………

4人「お誕生日おめでとう(ございます)!!」

ヴィーネ「みんな……今日はありがとう!!」

サターニャ「じゃあ早速プレゼントタイムね! 私からはこれよ!!」

ヴィーネ「これは……髪飾り? すごくかわいい!!ありがとうサターニャ!!」

ラフィ「私からはこれですね」ドンッ

ヴィーネ「これは…小型のフライヤー?」

ラフィ「こういう『便利だけど自分で買うほどのものじゃないもの』って一人暮らしで役立つんですよねー」

ヴィーネ「ありがとうラフィ!!これで揚げ物しやすくなるわね」


15: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2017/10/10(火) 22:05:44.452 ID:O8B5VFnJ0

タプリス「あの……月乃瀬先輩……その……」

ヴィーネ「どうしたのタプちゃん?」

タプリス「あ、なんでもないです……これ、プレゼントのマフラーです!!」

ヴィーネ「……タプちゃん、そっちの箱は?」

タプリス「こっ、これは……その……」

タプリス「すいません……最初手編みにしようとしたんですけど……上手くいかなくて……」ボロッ

ヴィーネ「タプちゃん、そっちの手編みのやつ、良かったら貰ってもいい?」

タプリス「えっ!? でも……」

ヴィーネ「いいのよ、私のために編んでくれたんでしょ?」

ヴィーネ「その気持ちが一番嬉しいの」ニコッ

タプリス「せ、先輩~」ダキッ

タプリス「やっぱり先輩は天使のようなお方です!!」

ヴィーネ(悪魔なんだけどな……)


20: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2017/10/10(火) 22:10:26.036 ID:O8B5VFnJ0

ヴィーネ「あれ? そういえばガヴは? いつの間にかいなくなってる……」

ラフィ「ガヴちゃんなら……」

ガチャ

聖ガヴ「ヴィーネさん、改めましてお誕生日おめでとうございます」ニコッ

ヴィーネ「!?」


21: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2017/10/10(火) 22:11:33.657 ID:O8B5VFnJ0

ヴィーネ「ガ、ガガガガヴ!? その恰好は……」

聖ガヴ「さて、誕生日会をはじめましょうか」

ヴィーネ(あの服……昔私と一緒に買った服だ……)

ヴィーネ(ガヴ……覚えててくれたんだ……)


22: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2017/10/10(火) 22:12:32.341 ID:O8B5VFnJ0

ワイワイ

ヴィーネ「料理もケーキもすごく美味しい!!」

ラフィ「うふふ、作った甲斐がありますね」

サターニャ「この私が作ったんだから当たり前よ!!」

ヴィーネ「みんな…本当にありがとう…」ウルウル

聖ガヴ「ヴィーネさん、あーん」スッ

ヴィーネ「!? ガヴ!? あーんって…///」

聖ガヴ「食べないんですか?」キョトン

ヴィーネ「た、食べるわ…///」パクッ

聖ガヴ「ふふっ、ヴィーネさん嬉しいですか?」

ヴィーネ「…ええ、とっても」

タプリス(天真先輩があーんって…/// 羨ましい…!!)


23: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2017/10/10(火) 22:14:35.658 ID:O8B5VFnJ0

ラフィ「さて、時間も遅くなりましたし…そろそろ解散しましょうか」

ヴィーネ「今日は本当に楽しかったわ!!ありがとうみんな!!」

聖ガヴ「……」

………

帰り道

聖ガヴ「ではヴィーネさん、私はここで」

ヴィーネ「ええ、じゃあまた学校で」

聖ガヴ?(……よし、何とか)

ヴィーネ「あ、そうだガヴ」

聖ガヴ「何ですか?」

ヴィーネ「これ、渡しておくわね」

聖ガヴ「これは……鍵?」

ヴィーネ「ええ、私の家の鍵よ」

聖ガヴ「どうして……」

ヴィーネ「だってガヴ……今お金ないでしょ?」

聖ガヴ「」ギクッ


25: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2017/10/10(火) 22:16:30.253 ID:O8B5VFnJ0

ガヴリール「……なんでわかったのさ」

ヴィーネ「誕生日会の時のガヴが何となくゼルエルさん来た時に似てるなーと思って……」

ヴィーネ「だから……何かやましいことでもあるのかと」

ガヴリール「……実は、仕送りの計算間違えてな」

ガヴリール「所持金が0円になって……それで誕生日プレゼントも買えなかった、すまん」

ヴィーネ「もう……私の家に来なさいよ、ご飯ぐらいは用意してあげるから」

ガヴリール「……怒ってないの?」

ヴィーネ「こんなに素敵な誕生日会にしてくれたんだもの……喜びはするけど、怒ることなんて何もないじゃない」

ガヴリール「ヴィーネ……お前が友達で本当に良かったわ」

ヴィーネ「ふふっ、ありがと」

ガヴリール「……」

ガヴリール(さすがにちょっと躊躇ってたけど……ヴィーネなら)


26: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2017/10/10(火) 22:17:18.610 ID:O8B5VFnJ0

数日後

ガヴリール「仕送りも来たし、私は久々に家に帰るとするわー」

ヴィーネ「今度は生活費の計算間違えちゃダメよ?」

ガヴリール「はいはい、今度は気を付けるよ」

ガヴリール「あ、そうだヴィーネ」

ヴィーネ「何?」

ガヴリール「遅くなったけど……誕生日プレゼントだと思って受け取って」

ヴィーネ「これは……羽根?」

ガヴリール「ああ、適当に飾っといて、じゃあな」


29: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2017/10/10(火) 22:19:41.628 ID:O8B5VFnJ0

喫茶店

ヴィーネ「ってガヴから羽根貰ったのよ」

ラフィ「……ヴィーネさん、その羽根は今どちらに?」

ヴィーネ「家に飾ってあるけど……」

ラフィ「そうですか……多分その羽根はガヴちゃんの羽根ですね」

ヴィーネ「へぇ……何か意味があったりするの?」

ラフィ「それは…私の口からはちょっと言いづらいですね」ニコッ

ヴィーネ「え!? 何!? 何の意味があるのあれ!?」

ラフィ「ただ…その羽根大切にしてあげてくださいね」

ラフィ「大切にしないと……ガヴちゃん泣いちゃうかもしれませんね」ニコッ

ヴィーネ「え!?」


30: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2017/10/10(火) 22:20:18.112 ID:O8B5VFnJ0

ラフィ(天使の羽根は祝福をもたらすといわれています……おそらくガヴちゃんが渡したのは自分の羽根の中で一番立派な羽根……その意味は)

「私は…ずっとそばであなたに祝福を与え続けることを誓います」

END


ガヴリール「ヴィーネの誕生日」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1507640192/