1: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/03/14(火) 07:12:33.480 ID:hoQMp1zX0
ガヴリール「なんでだよ! なんで……どうしてヴィーネが消えなきゃいけないんだ」
ヴィーネ「ごめんね、ガヴ」
ガヴリール「今からでも遅くないだろ! 学校の窓ガラスを割るとか、他にもいっぱい悪さすれば良いじゃないか!」
ヴィーネ「もう、ガヴったら。私がそう言うことできないって知ってるくせに」
ガヴリール「でも……でも、もう二度と会えなくなるんだぞ! そんなの悲しすぎるじゃないか」
ヴィーネ「ガヴと……ガヴリールと会えて、私は幸せだったよ?」
ガヴリール「なんで……なんで過去形なんだよ」
ヴィーネ「短い間だったけどありがとう、ガヴ。そして、さよ…………」
ガヴリール「ヴィーネ!? ヴィーネーーーーー!!!」
2: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/03/14(火) 07:13:22.251 ID:hoQMp1zX0
【前日 朝 ヴィーネ宅】
ヴィーネ「おはよう、小鳥さん」
チュンチュン
ヴィーネ「えーっと、今日の仕送りは……っと…………?」
【ガヴリール宅】
ピンポーン
ガヴリール「ん? ああ、もう朝なのか……土曜なのに誰だよ」ガチャ
ヴィーネ「ガヴリール! 大変よ! ゼロなのよゼロ!」
ガヴリール「ドラゴンボールか?」
ヴィーネ「それはセル! それどころじゃないのよ!」
ガヴリール「はぁ、私の休日の安眠を妨害する以上に大変なのかよ」
ヴィーネ「今日、魔界から仕送りが来たんだねどね」
ガヴリール「それで?」
ヴィーネ「ここの数字、なんて書いてある?」
ガヴリール「ゼロ……だな」
ヴィーネ「でしょ。どうしてだと思う?」
ガヴリール「と言うかゼロ円を振り込むって逆にどうやるんだよ」
ヴィーネ「もしかして私、悪魔失格なのかな……」
ガヴリール「私が堕天したら、その代わりにヴィーネが天使になるのかもな」
ヴィーネ「それどころじゃないわよ! 今はまだ貯えがあるけど、ああもう食費どうしよう」
ガヴリール「駅前でリーマン釣るとか?」
ヴィーネ「イチゴなんて高くて買えないわよ」
ガヴリール「どこでその言葉を覚えたんだよ」
ヴィーネ「成人男性を堕落させるための本に書いてあったわ」
ガヴリール「捨てろ! そんな本!」
64: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/03/14(火) 22:01:20.530 ID:hoQMp1zX0
ガヴリール「悪いこと悪いこと……そうだ! 銀行強盗すれば悪人だぞ!」
ヴィーネ「それじゃあダメ。悪人と悪魔は違うのよ」
ラフィエル「天使は人助けをすれば大丈夫ですが、悪魔って意外と定義が曖昧で難しいんですよ」
ヴィーネ「誰かに嘘をつくとか?」
ガヴリール「ヴィーネ! それだ! 試しに私に嘘を付いて点数稼ぎだ!」
ヴィーネ「えぇ!? いきなり言われても……うーん……ラフィエルって実はパッドなのよ」
ラフィエル「そうなんですか!?」
ガヴリール「どれ……答え合わせを」モミモミ
ラフィエル「あっ……」
ヴィーネ「なんだか私、自信が付いてきたかも!」
66: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/03/14(火) 22:05:43.556 ID:hoQMp1zX0
ガヴリール「まあ、嘘だって丸分かりなんだけどな」
ラフィエル「ですねー」
ヴィーネ「本当に? 渾身の大嘘だったのに……」
ガヴリール「これはもうダメかも知れない……」
ラフィエル「なにか打つ手があるはずですよ! ヴィーネさんを助けるなにかが……」
ヴィーネ「ラフィエル……天使なのに悪魔の私を救って貰うのも変な感じだけどありがとう!」
ガヴリール「私は良いのかよ!」
ヴィーネ「ガヴは一応天使だからね」
ラフィエル「それにヴィーネさんが居なくなったら私やガヴちゃん、サターニャさんだって悲しみます!」
ガヴリール「絶対に……絶対にヴィーネを消えさせはしないからな!」
67: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/03/14(火) 22:11:38.480 ID:hoQMp1zX0
ヴィーネ「二人とも……ありがとう!」
【翌日】
ガヴリール「なんでだよ! なんで……どうしてヴィーネが消えなきゃいけないんだ」
ヴィーネ「ごめんね、ガヴ」
ガヴリール「今からでも遅くないだろ! 学校の窓ガラスを割るとか、他にもいっぱい悪さすれば良いじゃないか!」
ヴィーネ「もう、ガヴったら。私がそう言うことできないって知ってるくせに」
ガヴリール「でも……でも、もう二度と会えなくなるんだぞ! そんなの悲しすぎるじゃないか」
ヴィーネ「ガヴと……ガヴリールと会えて、私は幸せだったよ?」
ガヴリール「なんで……なんで過去形なんだよ」
ヴィーネ「短い間だったけどありがとう、ガヴ。そして、さよ…………」
ガヴリール「ヴィーネ!? ヴィーネーーーーー!!!」
68: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/03/14(火) 22:16:53.536 ID:hoQMp1zX0
ラフィエル「……」
ガヴリール「……ラフィエル」
ラフィエル「? なんですか?」
ガヴリール「確か天使ってのは、神からのご加護を使えるんだったよな」
ラフィエル「ガヴちゃん! それだけはダメです! それじゃあガヴちゃんまで――」
ガヴリール「うん、知ってる」
ラフィエル「ヴィーネさんはガヴちゃんに生きて欲しかった! だからやらなかったんですよ!」
ガヴリール「天使殺しだろ? 天使を殺すなんて大罪人、悪魔くらいなもんだからな」
ラフィエル「それに……ガヴちゃんまで失うなんて……私、絶対に嫌です! そんなの認めません!」
ガヴリール「ラフィエルは優しいな」
73: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/03/14(火) 22:33:20.948 ID:hoQMp1zX0
ラフィエル「どうして!? ガヴちゃんまで居なくなる必要ないじゃないですか!」
ガヴリール「決めたことなんだ」
ラフィエル「変える気は……ないんですか?」
ガヴリール「ああ」
ラフィエル「それでヴィーネさんは喜びませんよ」
ガヴリール「正直、これが悪魔に効く保証もないしな」
ラフィエル「じゃあどうして!」
ガヴリール「あいつはな……ヴィーネは、こんな自堕落になった私を更生しようと頑張ってくれたんだ」
ラフィエル「夏休みの宿題で集まったときに、ヴィーネさんが話していたことですね」
ガヴリール「ヴィーネが居てくれなかったら……多分、私もあのまま消えていたんだと思う」
74: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/03/14(火) 22:44:37.972 ID:hoQMp1zX0
ラフィエル「ヴィーネさんの想いを無駄にするんですか?」
ガヴリール「違うよラフィエル。今までの大恩を返したいだけさ」
ラフィエル「そんなのガヴリールさんの我儘です。身勝手です」
ガヴリール「ラフィエルには言ってなかったかな。私は怠惰でぐうたらで……自分勝手なんだよ」
ラフィエル「勝手すぎますよ」
ガヴリール「うん、分かってる」
ラフィエル「消えないって、居なくならないって約束きてくださいね」
ガヴリール「……」
ラフィエル「また四人、仲良く学校に行けるって」
ガヴリール「ごめん」
75: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/03/14(火) 22:49:35.107 ID:hoQMp1zX0
ラフィエル「ガヴちゃん!!」
ガヴリール「神よ。天使、ガヴリール=ホワイトは願います」
ラフィエル「なにをしてるんですか! ガヴちゃん! ガヴちゃん!!」
ガヴリール「――――神の、御心のままに」
ラフィエル「…………ガヴちゃんの、バカ」
76: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/03/14(火) 22:59:51.527 ID:hoQMp1zX0
【魔界】
ヴィーネ「あれ? ここは……」
ヴィーネ(真っ暗でなにも見えない。これが“あの世”なのかな)
???「ヴィネット=エイプリルよ」
ヴィーネ「この声は……学園長なの?」
学園長「ヴィネット=エイプリル。あなたは悪魔失格だと大会議により認められました」
ヴィーネ「……はい」
学園長「しかし、一人の天使があなたを蘇らせようと尽力を尽くしています」
ヴィーネ「それって……?」
78: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/03/14(火) 23:06:08.546 ID:hoQMp1zX0
学園長「ヴィネット=エイプリル。あなたが消えたことにより、一人の天使を消すことに成功しました」
ヴィーネ「ガヴに……ガヴリールになにかしたの!?」
学園長「それを決めたのは魔界ではありません。なんにせよ、天使を亡き者にしたヴィネット=エイプリル。あなたを悪魔失格とは言い切れません」
ヴィーネ(ガヴのバカ……大バカよ)
学園長「よって、再び人間界ヘ降り、立派な悪魔として研鑽を積むのです」
ヴィーネ「ありがとう……ございます」
ヴィーネ(生き返ってもガヴリールが居ないんじゃ。そんなの生き返る意味ないじゃない)
80: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/03/14(火) 23:17:56.750 ID:hoQMp1zX0
【天界】
ガヴリール「ん……ふぁーあ……なんだここは?」
ガヴリール(そうか、ここが堕天した天使たちの墓場ってやつか。闇が深すぎてなにも見えないけども)
???「ガヴリール=ホワイト、ですね?」
ガヴリール「うおっ! 眩しっ!」
???「あなたの脳に直接語りかけています。眩しくはならないはずですよ」
ガヴリール「なんだ学園長かよ。驚かせやがって」
学園長「なんだとは失礼ですね。これでも色々とがんば……いえ、なんでもありません」
ガヴリール「それでなんの用だよ。死者蘇生。それも悪魔を復活させようと願ったんだ。良くて堕天、悪ければ消滅だろ」
学園長「更に良くて、です」
ガヴリール「うん? なんの話だ」
82: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/03/14(火) 23:24:25.173 ID:hoQMp1zX0
学園長「ガヴリール=ホワイト。あなたは堕天使だと自称し、それを改心させようと悪魔に尽力をさせましたね」
ガヴリール「ああ、確かにヴィーネは私に色々と世話を焼いてくれたな」
学園長「悪魔、ヴィーネの優しさに漬け込み、天使を助けさせようと誘導した。その結果、彼女は消滅しました」
ガヴリール「なんだよ! それじゃあ……それじゃあ、全て……私のせいじゃないか」
学園長「悪魔を籠絡させ、天使然とさせました。そして、彼女の優しさを更に増幅させました。これは立派な天使としての行為」
ガヴリール(確かにヴィーネは天使の私でも眩しいくらいの笑顔を振りまいてたな)
ガヴリール「確かにヴィーネは天使の私でも眩しいくらいの笑顔を振りまいてたな」
84: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/03/14(火) 23:33:14.787 ID:hoQMp1zX0
学園長「聞こえていますよ?」
ガヴリール「うおっ!?」
学園長「あなたはまだまだ見習い天使。さあ、ガヴリール=ホワイト。下界へ降り、再び人間と溶け込み修行するのです」
ガヴリール「でも、ヴィーネが……」
学園長「神に願ったのでしょう? 全ては神の御心のままに、ですよ」
ガヴリール「!? ありがとう……ありがとうございます! 神様ありがとう!」
学園長「現金なものですね。さあ、目を閉じなさい」
ガヴリール「はい」
87: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/03/14(火) 23:43:02.700 ID:hoQMp1zX0
【下界 ヴィーネ宅】
ヴィーネ「本当に……戻ってこれたんだ」
ヴィーネ(でも、ガヴリールが居ないんじゃ意味ないじゃない)
ヴィーネ「ガヴリール……電話……繋がらないよね」 プルルルル
ガヴリール『はーい』
ヴィーネ「えぇ!? ガガガ、ガヴリール!?」
ガヴリール『あー、ちょっと待って』
ヴィーネ「ちょっと、ガブ! 今どこに居るのよ!」
ヴィーネ(今すぐにでも会いたい、ってのは流石に恥ずかしいわね)
88: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/03/14(火) 23:43:46.334 ID:hoQMp1zX0
ガヴリール『私ガヴリール、今ヴィーネの玄関に居るの』ピンポーン
ガチャ
ヴィーネ「ガ、ガブ! あんたってば無茶して……もう」
ガヴリール「ま、まぁアレだ! 終わり良ければ全て良しってな!」
ヴィーネ「もう……ただいま? で良いのかな」
ガヴリール「お互いにただいま! そして――」
ラフィエル「ガヴちゃーーん!!!」
ガヴリール「おわっ! ラフィエル! ちょ、抱きつくな胸が苦しいだろ!」
ラフィエル「もうお二人には二度と会えないかと思っていましたぁ……また、またこうして会えて嬉しいです!」
ガヴリール「ラフィエルには心配かけて悪かったな」
ヴィーネ「心配かけてごめんね、ラフィエル」
90: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/03/14(火) 23:45:37.272 ID:hoQMp1zX0
サターニャ「三人ともなにやってんのよ! 学校に遅刻するわよ!」
ガヴリール「お前なあ……少しくらいは空気を」
ヴィーネ「走るわよ、ガヴリール! 私の無遅刻記録がかかってるんだから!」
ラフィエル「欠席はしましたから表彰はされませんけどね」
サターニャ「ちょ、ちょっと……置いてかないでよ! 私まで遅刻しちゃうじゃない!」
ヴィーネ「サターニャ!」
サターニャ「な、なによ」
ヴィーネ(せーの!)
ガヴリール「ただいま!」
ヴィーネ「ただいま!」
サターニャ「うん? おかえ……り? 変な二人ねぇ」
ヴィーネ「良いから良いから!」
ガヴリール「知らないって、ある意味一番の幸せだよな」
ラフィエル「サターニャさんらしいですね」
どっとはらい
ヴィーネ「仕送りが……0円!?」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1489443153/
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