1: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/06(土) 19:45:58.126 ID:7MGCof0M0
私はアイツが好きだ
だが、私はアイツの勝負をただ受け、それを流していく毎日
自分の思いを彼女に伝えることが出来ない、そんな自分に腹立ちもする
だが……いつかは必ず……
私はそう思っていた
あの事件が起こるまでは
2: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/06(土) 19:47:05.021 ID:7MGCof0M0
確かに、その日はサターニャと2人で「勝負」とは関係なく、本屋に行けて嬉しかった
しかし、「グラサン」という単語に怯えるサターニャを見て、私の中に「イタズラごころ」
天使には似つかわしくない、その感情が芽生えたのがまずかった
そして事件は起こった
…………………………………………………
3: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/06(土) 19:47:28.519 ID:7MGCof0M0
…………………………………………………
「ギャランドゥ!」
「人に名を尋ねる時は自分から名乗るべきじゃないかしら!?」
「あい……ふぃーる……そう……」
「ぐっど!!!!!」
「自己PR?あなたには感じ取れないの?この溢れ出るオーラ」
「このカリスマ性があれば自己PRなんて必要ないわ!」
(ふっ……完璧な面接だった……これならグラサンも文句は……)
グラサン「……胡桃沢、大事な話がある」ゴゴゴゴ
4: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/06(土) 19:47:54.104 ID:7MGCof0M0
ヴィーネ「……ちょっと、ガヴ」
ガヴ「ん?」
ヴィーネ「……この本、サターニャが持ってたんだけど、もしかして」
ガヴ「あー、それ本当にやっちゃったの?」
ヴィーネ「……やっぱり」
ヴィーネ「サターニャ、すっごい怒られて……可哀想に」
ガヴ「……」
ヴィーネ「あんたちゃんと謝っときなさいよ」
ガヴ「おー、わーったわーった」
5: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/06(土) 19:48:22.928 ID:7MGCof0M0
ガヴ「お、サターニャじゃん」
ガヴ「お前まさか本当にあれやるとは……」
サターニャ「……」
サターニャ「……あんた本当に天使?悪魔じゃないの?」
ガヴ「は?何言ってんだ、私は正真正銘の天使……」
サターニャ「……信じてたのに」ポロリ
ガヴ「えっ、おい、サターニャ」
サターニャ「……もう知らない」サッ
ガヴ「……」
ガヴ「んだよアイツ……」
6: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/06(土) 19:48:51.058 ID:7MGCof0M0
【翌日】
ガヴ「……お、おい、サターニャ」
サターニャ「……」プイッ
ガヴ「……」
ガヴ「ふんっ、あんなやつ知るかよ」
7: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/06(土) 19:49:18.200 ID:7MGCof0M0
【放課後】
ガヴ「……」
ガヴ(サターニャのやつ……1人でそそくさと帰りやがって)
ガヴ(私も……帰るか)
8: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/06(土) 19:49:58.532 ID:7MGCof0M0
ガヴ「……」テクテク
「勝負よガヴリール!」
ガヴ「……!」バッ
シーーーーーン
ガヴ「……」
ガヴ「空耳か……」ハァ…
ガヴ「何やってんだ私は……」
9: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/06(土) 19:50:18.697 ID:7MGCof0M0
ガヴ「……」
ガヴ(もうアイツとは……)
ガヴ「……」ジワァ
ガヴ「……」グシグシ
ガヴ(……謝ろう)
ガヴ(……そうすれば)
10: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/06(土) 19:50:51.562 ID:7MGCof0M0
【翌日】
ガヴ「お、おい、サタ……」パクパク
サターニャ「……」テクテク
ガヴ(なんで……なんで声が出ないんだ!)
ガヴ「ちょ……まっ……」
ガヴ「……」
ガヴ「……」ハァ…
12: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/06(土) 19:51:31.165 ID:7MGCof0M0
キーンコーンカーンコーン
ガヴ「……」
サターニャ「……」ササッ
ガヴ「……」
ガヴ「……帰ろう」
13: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/06(土) 19:52:06.084 ID:7MGCof0M0
ガヴ「……」テクテク
ガヴ(……やっぱり仲直りは……無理なのかな)
ガヴ(私は……なんであんなことを)
ガヴ(……)
エーンエーン
ガヴ(……なんだ?)
14: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/06(土) 19:52:57.912 ID:7MGCof0M0
女の子「うわーん」ビェェビェェ
ガヴ(風船が木に引っかかってんのか……)
ガヴ(可哀想だけど……いまの私には何もする気力が……)
『あんた本当に天使?』
ガヴ「……アイツの言葉」
ガヴ「……分かったよ!やればいいんだろ!!」
15: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/06(土) 19:53:15.440 ID:7MGCof0M0
女の子「うぅ……グスッグスッ」
ガヴ「……おい、もう大丈夫だから泣くな、私が取ってやるよ」
女の子「ほんと……?」グシグシ
ガヴ「……あぁ」
女の子「……ありがとう!」パァァァ
16: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/06(土) 19:53:38.534 ID:7MGCof0M0
ガヴ「よいしょよいしょ」キノボリー
ガヴ(……もうちょいだ)
ガヴ(……あと少し!)
ガヴ(よし!取っ……)
バキッ
ガヴ(えっ)
17: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/06(土) 19:54:23.019 ID:7MGCof0M0
ヒューー
ガヴ(あっ……こりゃやべーな)
ガヴ(……羽根だしたら強制送還だし)
ガヴ(第一もう間に合わないか……)
ガヴ(怪我……ですむかな)
ガヴ(怪我したら……心配してくれるかな)
ガヴ(ヴィーネ、ラフィエル……)
ガヴ(……アイツは心配してくれないかな)
ガヴ(……そっか、もうアイツとは……)ウルウル
18: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/06(土) 19:55:13.154 ID:7MGCof0M0
「はやく降りなさいよ」
ガヴ(あぁ……走馬灯ってやつか?アイツの顔が見える……私死ぬのかな)
「はやく降りなさいっていってんのよ!!!」ガバァ
ガヴ「いって!なにすんだよこの野郎!」ドサァ
「あんたがいきなり私の上に乗っかってきたんでしょ!?」
ガヴ「……って、え?現実?」
19: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/06(土) 19:56:11.821 ID:7MGCof0M0
サターニャ「何言ってんのよ、頭でも打ったの?」
ガヴ「え、いや、大丈夫……」
ガヴ「……体が痛くない」
サターニャ「……そりゃ私の上に乗っかってきたからね」
ガヴ「……なんでお前が下に居たんだ」
サターニャ「……子供が泣いてるからみたら……あんたが木に登ってて……そして落ちるの見かけて……」
サターニャ「……ダッシュで下まで駆け寄ったらあんたがもう上まで来てて……」
20: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/06(土) 19:56:57.138 ID:7MGCof0M0
ガヴ「……そうか、それは……すまない」
サターニャ「……それにしても」
サターニャ「……あんたにも天使らしいところあったのね」
サターニャ「少しだけ……見直したわ」
ガヴ「……」
ガヴ「サターニャ、話があるんだ」
21: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/06(土) 19:57:29.884 ID:7MGCof0M0
サターニャ「……このタイミングで?」
ガヴ「……あぁ、面接のことなんだが……あの……その……」
サターニャ「……もういいわよ」
ガヴ「……えっ?」
サターニャ「もういいって言ってるの」
サターニャ「あれくらいの罠も見抜けないなんて私もまだまだよね」
22: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/06(土) 19:58:19.805 ID:7MGCof0M0
ガヴ「ほっ、本当に許してくれるのか!?」
サターニャ「しつこいわよ、もういいって」
ガヴ「……」
ガヴ「……ありがとう」
サターニャ「なはっ!大悪魔は器がでかいのよ!」
ガヴ「……ふふっ」
サターニャ「……なによ」
23: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/06(土) 19:58:53.044 ID:7MGCof0M0
ガヴ「……大悪魔なのに優しくていいのかよ」
サターニャ「い、いいでしょ!別に!」
私はコイツが好きだ
大悪魔といいつつ、大悪魔になりきれないところ
優しくて友達思いなところ
……馬鹿なところ
あげれば色々と出てくる
24: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/06(土) 20:02:00.590 ID:7MGCof0M0
……ちょっと前まではいつその思いを告げようか悩んでいた
でも、もういい
どうして今まで気付かなかったんだろう
「そ、そんな事言ったらあんただって天使っぽくないじゃない!」
「私は大天使だぞ?大悪魔なんかけちょんけちょんだぞ」
「なっ!やれるもんならやってみなさいよ!」
「おう!じゃあ……」
……しかし、やっと気付くことが出来た
いつもアイツからかけてくれるあの言葉の大切さを
そして、いつもその言葉をアイツから言われる幸せを……
もう、私はこれ以上は望まない
ただ、私はその言葉をお互いに言い合える、そんな関係で十分だ
願わくばこの関係がずっと続いていくことを……
「勝負だ!」
おわり
ガヴ「喧嘩友達」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1494067558/
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