1: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/06(土) 21:38:40.540 ID:726usawe0
……
ガヴリール「ヴィーネもサターニャも、連休最後の日まで里帰り」
ガヴリール「てっきりヴィーネがどこかに行く予定を立てていると思ってたけど、そんなことはなかった」
ガヴリール「連休も明日で最後だってのに、結局どこにも行かなかったな」
ガヴリール「まぁ、別にダルいし、私はどこにも行かなくてよかったんだけどね」フッ
ラフィエル「ふふふ」ニコニコ
ガヴリール「何だよその顔は」
ラフィエル「いえ、ガヴちゃんも素直じゃないなーって」
ガヴリール「……は?何が?」
ラフィエル「だって、外に出ずに家でゲームをしていたいガヴちゃんが、わざわざ私の家に遊びにくるなんて」
ラフィエル「寂しい思いをしてたんだなーって」ニコッ
ガヴリール「……別に、暇だっただけだし」プイッ
ラフィエル「はぁ、ガヴちゃんは可愛いですね~」ムギュッ
ガヴリール「ちょ、暑苦しいから離せっての」
17: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/06(土) 21:45:58.493 ID:726usawe0
ラフィエル「それで、今日はどうしたんですか?ガヴちゃん」
ガヴリール「暇だったから来たってさっき言っただろ、特に用事ってわけじゃないよ」
ラフィエル「そうですかそうですか……」
ラフィエル「それにしてもガヴちゃん、何で私が今日下界に帰ってくることを知っていたんですか?」
ガヴリール「連休前に自分で言ってたじゃんか、土曜日には帰ってくるって」
ラフィエル「……覚えててくれたんですか?」
ガヴリール「……」
ラフィエル「私が下界に戻ってくる事が、楽しみで楽しみで仕方がなかったんですね……?」
ガヴリール「別に、そんなんじゃないし」
ラフィエル「後数日でラフィエルが帰ってくる!って、指折りで数えて待ってたんですね?」
ガヴリール「いや、だから違うって……」
ムギュッ
ラフィエル「ああー、今日のガヴちゃん、可愛すぎてどうにかなっちゃいそうです……!」
ガヴリール「ちょ、苦しいって、マジでやめろ」
19: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/06(土) 21:51:12.014 ID:726usawe0
……
ガヴリール「……気は済んだか?」グッタリ
ラフィエル「はい、おかげさまで!」ツヤツヤ
ガヴリール「まったく、なんて日だよ、ネトゲは緊急メンテだし、ラフィエルにはおもちゃにされるし……」ムスッ
ラフィエル「うう、ご機嫌斜めですね……」
ガヴリール「誰のせいだと思ってるんだよ」
ラフィエル「ごめんなさい、何をしたら機嫌を直してくれますか?」
ガヴリール「……おやつ」
ラフィエル「おやつ……?」
ガヴリール「……あと、ジュースも」
ラフィエル「ふふっ、わかりました、今からご用意しますね」ニコッ
ガヴリール「せんべいとかは無しだぞ?もっとこう、甘ったるいやつ」
ラフィエル「はーい」
21: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/06(土) 21:55:25.031 ID:726usawe0
……
ガヴリール「おお……」ジュルリ
ガヴリール「ビスケットにチョコレート、マシュマロに……ケーキもあるぞ!」キラキラ
ガヴリール「こ、これ、本当に食べていいの!?」
ラフィエル「はい、勿論です」ニコッ
ガヴリール「……ありがとうラフィエル、この恩は忘れない」ヒョイッ
ガヴリール「んむっ……」
ラフィエル「……」
ガヴリール「うぇへへ、しあわせぇ……」モグモグ
ラフィエル(お菓子でご機嫌になっちゃう子供っぽいガヴちゃん、可愛いです!!)
23: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/06(土) 22:03:14.372 ID:726usawe0
ガヴリール「……」モグモグ
ラフィエル「……」
ガヴリール「……」モグモグ
ラフィエル「……」
ガヴリール「……」
ラフィエル「……」ニコッ
ガヴリール「何だよさっきから、満面の笑みで見つめやがって……」
ラフィエル「……あら、ごめんなさい、私としたことが……」
ラフィエル「お菓子を頬張るガヴちゃんがあまりにもかわいかったので、目が離せませんでした」ニコッ
ガヴリール「……っ」カァァァ
ラフィエル「ああ、赤くなるガヴちゃんも可愛いですねぇ……」
ガヴリール「……!!」バッ
ラフィエル「ふふふ、顔を隠そうとクッションを顔に押し当てるガヴちゃんも可愛いです」ニコッ
ガヴリール「うぅ……」
26: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/06(土) 22:13:04.782 ID:726usawe0
……
ガヴリール「……ラフィエルのばか、もう口聞いてやんないからな」プイッ
ラフィエル「あああ……なにこれかわいい、どうしましょう……」
ガヴリール「だから、そのかわいいって言うのやめろって!」
ラフィエル「ご、ごめんなさい、ついうっかり……」
ガヴリール「……本当に反省してるんだろうな?」
ラフィエル「はい、この通りです」ペコッ
ガヴリール「……」
ガヴリール「……はぁ、じゃあ、仲直りな」
スッ
ラフィエル「……この手は?」
ガヴリール「握手だよ、私の家では仲直りするときにこうやってたんだ」
ラフィエル「……」
ギュッ
ラフィエル(ああ……家族内でやってる謎ルールを外でもやっちゃうガヴちゃんかわいい……)
28: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/06(土) 22:21:19.369 ID:726usawe0
ラフィエル(まずジャージ姿で一日過ごしちゃうのがかわいいし、そのジャージ洗っちゃうと家で着る服がないから同じ物ばっかり着てるところがかわいい)
ラフィエル(そして私の家に遊びに来るときは律儀によそ行きの服に着替えてくるところが年頃の女の子感あってかわいい)
ラフィエル(普段から外に出たくないとか言っている癖にいざ遊び相手がいなくなると寂しくなって自分から出向いちゃうところがかわいい)
ラフィエル(それを必死に否定して自分は孤独でも平気なんだっていう無駄なアピールをしてくるところもかわいい)
ラフィエル(ちょっと弄ってムキになって怒るも、お菓子とジュースを前にすると普段より上機嫌になっちゃうところとか最高にかわいい)
ラフィエル(なんだかんだ怒っても許してくれるし優しいかわいい、かわいすぎてかわいい……)
ラフィエル(って凄く口に出して言いたいですが、ここは我慢ですね……)
ラフィエル「……」
ガヴリール「なんでそんな険しい顔してんの……?」
29: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/06(土) 22:29:36.914 ID:726usawe0
一人の天使を想うラフィエルの心は空を飛び、海に落ち、大地へ返る
様々な自然を一巡し、遂には魔界へと達したのだった……
ヴィーネ「……っ」ピクッ
ヴィーネ(何かしらこの気持ち、凄く、温かい……)
ヴィーネ(私はこれを心で感じとる事ができる、恐らくこれは、ガヴを想うラフィエルの気持ち)
ヴィーネ(きっとこれが、ラフィエルの心そのもの……)
ヴィーネ「……ふふっ」
ヴィーネ「なら、私もそれに答えてあげなくちゃね」
31: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/06(土) 22:36:29.062 ID:726usawe0
ヴィーネ(次の日は朝から学校だっていうのに徹夜でネトゲなんてしてしまう無計画さがちょっと抜けててアホかわいい)
ヴィーネ(その癖めざまし時計すらセットしてなくて、最初から私に起こしてもらうつもり満々なところが憎たらしかわいい、あと、必ず私が来るって思い込んでる信頼が尊い)
ヴィーネ(眠そうな目を擦りながら今日は学校行かないとか言ってる癖にちゃっかり着替えてるところがかわいい、登校する気満々かわいい)
ヴィーネ(朝ごはんの用意を始めると匂いにつられて台所まで見に来るところがかわいい、まな板を見つめながら目線で急かしてくるところもかわいい)
ヴィーネ(ガヴが先に靴を履きおわると玄関の外で私を待ってるところがかわいい、その時に髪の毛を指でくるくるしながら携帯弄って待ってるかわいい)
ヴィーネ(私がいないと何もできないかわいい、いや、私がいなくてもなんとかなりそうなところが切ない、切ないかわいい)
ヴィーネ(全体的にかわいい、かわいくてかわいい、すごくかわいい)
ヴィーネ「……かわいい」ボソッ
ヴィーネ父「……?」
32: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/06(土) 22:41:26.423 ID:726usawe0
……
サターニャ「ということがあったのよ、やっぱり私って、偉大な大悪魔の血が流れているのかしら」
サターニャ弟「いやいや、今の話を聞く限りじゃ姉さんやられてるじゃん」
サターニャ「何言ってるのよ!あのときガヴリールは確かに参ったって……」
サターニャ「…………っ!!」ピクッ
サターニャ弟「……姉さん?」
サターニャ「……ふふふ、なるほど、そいいうことね」
サターニャ「まったくあいつら、私がいないところで何を考えてるんだか」フッ
サターニャ「いいわ、付き合ってあげようじゃない、言っておくけど、私のは凄いわよ?」
サターニャ弟(姉さんって病気なのかな……)
34: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/06(土) 22:50:05.279 ID:726usawe0
サターニャ(いつも私の勝負を拒否してくるけど、なんだかんだ押しまくればその内折れて勝負を受けてくれるところがかわいい、押しに弱いかわいい)
サターニャ(いざ勝負が始まってみると案外真剣にやっててかわいい、そしてガヴリールが勝つと結構嬉しそうでかわいい)
サターニャ(私が負け続けているとお情けで手加減してくれるときがあるのが優しい、優しいかわいい、それでも勝てない場合はアドバイスとかくれるところもかわいい)
サターニャ(学校では冷たい態度を取ってる癖に二人きりの時は結構優しくてかわいい、好きなお菓子とか好きなゲームとか他愛のない話をしてるときの無邪気な笑顔がかわいい)
サターニャ(私のために大家と交渉してペットの飼育を可能にしてくれた、やさしい、その事を決して自分の口から言わないところがかっこいい、最近その事実をラフィエルから聞いた、気づいてあげられなくて悔しい)
サターニャ(全体的にかわいい、優しいしかわいいし全然駄天使じゃないかわいい、あれで堕天したつもりになってるのがかわいい)
サターニャ(とりあえずかわいい、かわいいし優しいしかっこいい)
サターニャ「……かわいい」ボソッ
サターニャ弟「は?」
36: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/06(土) 22:57:54.353 ID:726usawe0
……
タプリス「はぁ、結局連休は下界に行けませんでした……」
タプリス「今の私の癒しはこの、大図書館にあるパソコンだけ、このインターネット掲示板だけが下界と繋がる唯一の手段……」カチカチ
タプリス「……今頃先輩達は、何をしているんでしょうか」
タプリス「……っ!!」ピクッ
タプリス(な、何ですか!?この感覚……!胸の中に溢れてくるこの天真先輩への想い……!)
タプリス(これが白羽先輩の、月乃瀬先輩の、胡桃沢先輩の心……!!)
タプリス「ふふっ」
タプリス「……私だって負けてられませんね」
37: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/06(土) 23:09:33.961 ID:726usawe0
タプリス(雨が酷く降り注ぐ放課後、傘を持たずに帰る私にそっと手を差し伸べてくれた先輩)
タプリス(自分の羽が濡れているにも関わらず、私の方に傘を向けてくれる先輩、間違いなく天使です、周知の事実であることは明らかですがとりあえず言っておきます、かわいい)
タプリス(卒業式の前夜、別れを惜しみ、泣き出す私をそっと抱き締めてくれました、その時抱いた感情は二つ、一つ目はかわいい、二つ目は優しい)
タプリス(先輩が下界に降り立ち、数ヵ月の時が経ち、寂しくなった私は天真先輩に会いに行きました)
タプリス(そこにいたのは変わり果てた天真先輩、髪の毛とかぼっさぼさになってるし性格も以前と全然違ってて悲しい、でもこれはこれでかわいい)
タプリス(下界に降りる事が目的だったせいでその日の宿を用意してなかった私、愚かしい、一泊させてくれる天真先輩やさしいかわいい、お泊まりと聞いてちょっと期待しちゃう私乙女でかわいい)
タプリス(うっかり眠ってしまった私に布団を掛けてくれてるところが優しい、ゴミ捨てを押し付けられた時はちょっとイラッとしましたがなんだかんだで許せるかわいい)
タプリス(全てにおいてかわいいパーフェクトエンジェル、かわいくてかわいい、そんな天使……)
タプリス「それが、天真=ガヴリール=ホワイト先輩なんですねぇ……」
39: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/06(土) 23:16:30.564 ID:726usawe0
……
ラフィエル「うぅ……っ」グスッ
ガヴリール「ちょ、何でいきなり泣き出してるんだよ!」アセアセ
ラフィエル「皆さんの熱い思い、しっかりと伝わってきました……っ」
ラフィエル「私は今この瞬間を、ガヴちゃんと共に過ごすことができて……本当に幸せです……っ!!」ポロポロ
ガヴリール「ああもう、わかった、わかったから泣きやめって……」ギュッ
ラフィエル「……あっ」ドキッ
ガヴリール「ま、まぁなんだ、私もラフィエルにそこまで言われるとさ、何だかその……」
ガヴリール「ちょ、ちょっとだけ嬉しいというか、照れるというか……」カァァァ
ラフィエル「ガヴちゃん……」
ガヴリール「だからその、さ、笑ってくれよ、ラフィエルがそんな顔してると私までかなしくなってくるだろ?」
ラフィエル「……はい!」
……
ガヴリール「……今日はお前の家に泊まってくわ、家に帰っても暇だし」
ラフィエル「……!!」
41: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/06(土) 23:42:49.392 ID:726usawe0
ガヴリールを愛する二人の天使と二人の悪魔、彼女達の愛は風に乗り、様々な国へと旅立った
争いの絶えない砂漠の国、そこでは大勢の人々が飢えに苦しみ、大勢の人々が涙を流す
そんな彼らの心の支え、それこそがこの愛する心だ、ガヴリールへの愛は恵みの雨となり、豊かな緑へと育った
年老いた支配人と、それらを支える疲れきった人々が支える小さな国
終わりのない労働に終われ、疲れきった人々は自ら命を絶っていく
多くの国民は絶望し、崩壊してゆく状況の中、一筋の光が訪れた……
ラフィエル「後にその光は、希望の象徴とされ、多くの人々の救いとなりました」
ラフィエル「『ガヴリールドロップアウト』……人々に心を与えた尊い聖書です」
ハニエル「……すごい、お姉ちゃん達が世界を……」
ラフィエル「今でこそ私やガヴちゃんは大天使と呼ばれていますが、下界での私達は駄目駄目だったんですよ?」
ラフィエル「ただ、私達は愛しただけなのです、たった一つの尊いものを……」
ハニエル「……」
ハニエル「きめた!」
ハニエル「私も下界に降りて、尊いものを見つける!」
ハニエル「そして、人間さん達に、いっぱい尊い気持ちを与えてあげるの!」
ラフィエル「ふふふ、ハニエルちゃんならきっとできますよ」ニコッ
かわいいは世界を救う!
完!
ガヴリール「結局連休どこにも行かなかったな」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1494074320/
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